スマホアプリ「まっぷるリンク」運用・保守の引き継ぎ
既存ベンダーからの引き継ぎで煩雑なシステムを改善
株式会社昭文社
昭文社様は地図・ガイドブックのトップブランドとして「まっぷる」や「ことりっぷ」をはじめとした、地図と旅行ガイドブックを出版しながら、昭文社グループの持つ地図や豊富なガイドコンテンツを活用した各種WEBサイト運営などの電子事業にも取り組んでいます。
今回は「まっぷる」の公式スマホアプリである「まっぷるリンク」のリニューアル開発において、既存ベンダーからの引き継ぎを行いました。
「まっぷるリンク」は、人気ガイドブックを電子書籍で持ち運び、旬な情報もあわせて楽しめる「まっぷる」公式アプリです。旅の情報収集やプラン作成、 当日の行動までスマートにサポートしています。

当初の課題
本サービスには、既に他ベンダーでの開発を行っておりましたが、以下のような課題がありました。
体制・リソースの安定性
サービスが拡張・多機能化していく中でユーザーの利用継続のための工夫も必要となり、改善要望も複雑化しておりました。既存ベンダーの体制では対応に時間を要するケースがありました。具体的には、人員の入れ替えや、不具合対応のスピード感に課題をお持ちでした。結果として、今後のアプリの発展を考え、継続的な委託体制を再検討することに至りました。
ドキュメントの管理について
ドキュメントの整備が十分ではなく、一部の作業が属人化していました。そのため、不具合発生時の対応やナレッジ共有が円滑に進まず、将来的な機能追加・改修の推進に影響が及ぶ懸念をお持ちでした。
上記課題を解決すべく、調査から引き継ぎまで約2ヶ月半で進めていきました。
安定稼働に向けた運用保守引き継ぎ
まっぷるリンクが目指すサービス拡張を実現するため、テックファームは安定稼働化を前提とした段階的な運用の開始をご提案しました。既存ベンダーではスケジュールやレスポンスの速さなど、コミュニケーションでの懸念が多かったため、当社では運用保守・引き継ぎ実績があるメンバーのアサインを行い、以下のフェーズで引き継ぎを行いました。
調査フェーズ
まずは既存システムの全体像把握、運用面での状況把握を行い、保守計画をヒアリングした上で保守引き継ぎ計画を策定しました。ブラックボックス化した既存システムの状況把握をし作業ボリュームを測るために、ソースコードの解析やシステム調査、アプリ調査を行いました。その後、運用保守範囲や求めるサービスレベルなどを細かにヒアリングし、運用保守に必要な事項を洗い出して引き継ぎ計画を立てていきました。
運用準備・リハーサルフェーズ
次に、洗い出された課題に対する対応や不足しているドキュメントの作成を行いました。ドキュメントを作成することで、状況を把握しやすくし、運用のベンダー・人依存を減らすことを目指しています。また、引継ぎのリハーサルを行い、リリースや障害対応など運用保守の内容を確認するステップも踏みました。
サービス拡張フェーズ
引き継ぎ準備が整い、運用保守を開始した後、機能・サービス拡張に向けた追加開発や改善対応を実施しています。当初のご要望に加え、今 サブスクリプション機能やストア決済機能の追加開発を行っております。現在はさらなるサービスグロースに向けた体制を整える取り組みを行っています。
お客様の声
まっぷるリンクは、「まっぷる」公式アプリとして累計700万ダウンロード(2024年11月末時点)を突破し、多くの方にご利用いただいているサービスです。
年に数回の大切なお客様の旅行体験をより良いものにするため、スピード感を持ったサービス提供を進める必要があり、安定した開発体制を立て直す必要がありました。
テックファーム様には、保守体制の構築から課題の洗い出し、改善提案まで一連でご対応いただき、サービス拡張を見据えた基盤づくりに大きく貢献いただきました。特に、スケジュール提示や事前打ち合わせ、わかりやすい資料のご提供など、丁寧かつ明確な進行により、計画どおり遅延なく目的を達成できた点は大変ありがたく感じております。
また、日々の運用・保守の中で想定外に発生する課題にも迅速かつ的確にご対応いただき、リカバリー体制の確かさから強い信頼を抱いています。さらに、サービス拡張に向けて新たな課題やアイデアをご提案いただける点も、企画と開発の両面に強みを持つテックファーム様ならではだと感じています。
複雑化した中で拡張を続ける当アプリにおいて、安心してサービスグロースへ取り組める環境が整ったのは、テックファーム様のご支援のおかげです。

